25時間眠りたい

はやく人間になりたい

夜中の薔薇

「『手袋をさがす』を読んで欲しい」

と言われ買った本

 


『手袋をさがす』のことなんてすっかり忘れて

順序よく前から読んでいった

 


初めのほうは、時代の差や己の学のなさのせいで、

いや、圧倒的後者のせいだな

で、あまり掴みきれなくて焦った

 


どんな本にも読み頃な時期があると私は思う

旬、と呼んでいいのだろうか?

それぞれの本に一人ひとり、

1番面白く読める時期がある

 


ちなみに私は川端康成の雪国が

まだ、どうしても読めない

永遠に『夜の底が白くなった。』を睨んでいるのだ

 


この本を勧めた人は私の母くらいの年齢だ

私は彼女を密かに尊敬している

冗談で「私は〇〇さんの奴隷ですから」と言っている

 

 

その彼女は大学生の頃、つまり今の私と同じ頃に

この本を読んで感動したらしい

 


彼女が掴めたものが

私に掴めなかったらどうしようかと焦ってしまったのだ

 


でも、次第に文調に慣れてきて

言葉が馴染むようになった

 

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『ことばのお洒落』にチクリと刺された

日本語を使えるようになろうと思った

 


特別響いた話があった

ふとページ左上の見出しを見ると『手袋をさがす』と

書いてあってニヤリとした

 


小学5年生から私を知っていて、

もうずっと私の髪を任せている美容師さんがいる

私はその美容師さんとよく話す

髪の手入れに加え、心の手入れをしてもらっているのだ

 


そんな私のことを知っている美容師さんが

最近、私のことを

「すっかり丸くなっちゃってつまらない

   もっとギラギラしてた頃に戻って欲しい」

なんて言ってるらしい、別のお客さんに(!?)

 


そのことを思い出した

私の人生はどれが適温なんでしょうね、

まだ私にはわかりかねます

 


『女を斬るな狐を斬れ』という話に

男のやさしさ、女のやさしさ、なんて連ねてあった

平成も終わる今日この頃、

一体、私はどうしたらいいのでしょうかね

性別なんて関係なく

ムラなく一定に日々やさしくありたいものですがね

 


社会に出て、数年後にまた読み直したら

違うことを感じそうだな

生きるのが少し楽しみだ