穏やかでない微睡みの第3回
電車のアナウンス
隣のおばさんたちの会話
イヤホンの夏夜のマジック
みんなみんな流れ込んでくる
詩が薄まる
視線が文字を彷徨いそわそわと
指が頁を捲れずそわそわと
ああお腹が痛い
もう一錠も残ってないのに
いわゆる女の子の日周辺は
中高校生の頃
みたいな感情になるなれる
早退するために
保健室のベッドで
親に電話が繋がるのを待っていた時
みたいな感情にせるさせる
胸ポケットに折りたたみナイフ忍ばせ
生きていた
世の中全てに中指立て
生きていた
あの頃は毎日そんなもんだから
苦しくてたまらなかったけど
たまったもんじゃなかったけど
たまにの遭遇なら少しは歓迎
ちょびっとだけだから調子に乗るなよ馬鹿野郎
薬が切れるよ さらさらと
お腹が痛いよ ぐりぐりと
お釣りとレシートです
ありがとうございました
お大事に
意識が遠退く とろとろと
眠りが深まる ずぶずぶと
どうかどうかお大事に