25時間眠りたい

はやく人間になりたい

女の子が生きた19年間

 女の子は母親に他者比較されながら育ちました。それが彼女自身でも癖になってしまって、常に他の誰かと比べていました。そうすると自己肯定感が低くなっていき、中学生の頃には彼女は自分を必要以上に卑下するようになってしまいました。

 高校生の頃には彼女は自分には生きている意味がないと思い込むようになり、死を考える日々でした。しかしそう簡単には死ねないので、この新刊が出るまで生きよう、あのライブまで生きよう、と趣味を理由にして延命していました。

 そして彼女は大学生になり、ある日、最果タヒさんという著者の詩集を読みました。その詩集のあとがきに感銘を受けた彼女は自分も書いてみたいと思い、ブログを開設し文章を書くようになりました。

 ブログを続けていくうちに、1ヶ月前の文章、半年前の文章、1年前の文章、というように彼女は自分が書いたものをふと読み返すようになりました。そこで彼女は自分の思考や言動を振り返ることになり、自己比較ができるようになりました。

 自分の成長を実感した彼女は生きることが楽しくなりました。女の子は死ぬことをやめて生きることにしました。少し前までは死ぬはずだった命なのでどうせ生きるなら好きなように生きようと思いました。女性であることだとか他の人がどうとか世間体を気にせずに、彼女の人生を彼女として生きることにしました。それまではなんとなくキャリアウーマンになることを思い描いていましたが、それは彼女の夢ではないと気付きました。今の彼女の夢は孫に「おばあちゃん大好き」と言われることです。

 女の子は思考を他者比較から自己比較に変化することができるようになりました。そうして、なりたい自分を見えない何かに縛られることがなくなった女の子は次第に大切なことがわかるようになりましたとさ。

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授業の宿題

数あるお話のひとつに過ぎない